[介護食]の悩み!栄養バランスの悩み! | 自宅介護でどうするべきか?!
介護の食事は、悩まれる人が多いと思います。
実際、私も祖母の時と父の時に悩みに悩みながら試行錯誤でした。
特に祖母は、離れて暮らしてたので連絡が来るまで全く知りませんでしたが、食事を全く取らなくなり栄養失調で入院するほどでした。
祖母の介護は、その事がきっかけでするようになります。
その当時とは、食に対する基準がだいぶ変更されてますが、分かる範囲で書いていきますので参考にしていただけたらと思います。
「日本人の食事摂取基準」
聞かれたことがある方も多いと思いますが、厚生労働省が5年ごとに発表しているものです。
目的は、生活習慣病の予防や過剰摂取による健康障害の予防の為にエネルギーや各栄養素の摂取量の基準を決めています。
現在のものは、2015年に改定されたものです。
介護で考えるとなかなか基準通りは、難しいですがこの後にお話しする四群点数法や病院の管理栄養士さん、学校給食などすべてこの基準をもとに考えられているので参考にしてください。
国民の健康の維持・増進
「日本人の食事摂取基準」は、国民の健康の維持、増進を目的としたものと言えます。
様々な数値などが出てきて少し分かりにくいかもしれませんが、一度ご自分の身長、体重から計算してみてください。
通常は0歳から細かく分類されてますが、今回は介護がテーマなので30歳からの数値から書きます。
BMI(ボディマス)
BMIとは、体重と身長から算出する肥満度を表す体格指数です。
理想数値は、年齢ごとで多少違いがあります。
18~49歳「18.5~24.9」50~69歳「20.0~24.9」70歳以上「21.5~24.9」
これが、BMIの理想基準ですが、どの年齢においても22になるのが理想と言われてますので、次のように理想体重を導きます。
身長(m)×身長(m)×22=理想体重(㎏)
ここで出した体重が、身長に対する理想の体重です。
現時点でのBMI数値を知りたい場合は
現体重(㎏)÷(身長(m)×身長(m))=BMI数値となります。
1日の基礎代謝量
1日の基礎代謝量とは、1日横になっていても生命維持に必要な最小限のエネルギー量です。
算出するのに基礎代謝量基準値があります。
(体重1gあたりの基礎代謝量の代表値)
基礎代謝量基準値
30~49歳 男性 22.3 女性 21.7
50歳以上 男性 21.5 女性 20.7
先ほど出し体重(㎏)×基礎代謝量基準値(上の数値)=1日の基礎代謝量
ここで出したのが1日の基礎代謝量です。
推定エネルギー必要量
ここでやっと摂取する必要カロリーが算出できます。
ここでは、身体活動レベルの数値があります。
身体活動レベル数値は、低い、普通、高いの3つです。
低いは、動くことがほとんどなく生活の活動が静的
普通は、活発的に動き回るわけではないが、普通に移動や軽い運動はする
高いは、移動が多く活発的に運動などをしている
30~69歳 低い 1.5 普通 1.75 高い 20.0
70歳以上 低い 1.45 普通 1.70 高い 1.95
先ほど出した1日の基礎代謝量×身体活動レベル(上の数値)=推定エネルギー必要量
ここで出たのが1日に摂取するカロリーになります。
あくまでも、厚生労働省が推奨する数値で介護する上ではそれぞれ様々な事情が出てくるので目安の数値と捉えてください。
ただ、取りすぎや少なすぎる場合は健康に影響するので対策は必要になります。
この算出方法は2015年厚生労働省の資料を元にしたもので、2020年にまた改正があると思います。
介護食品区分
1日の摂取カロリーを出したら、次は四群点数法を使って栄養のバランスを考えたメニューを決めていくのですが、その前に介護食品区分について簡単に説明しておきます。
介護食品区分とは、日本介護食品協議会が定めた商品規格で4つの区分ととろみ調整の5つに分類されてます。
UDF(ユニバーサルデザインフード)のロゴが入った商品は、食べる人の食べやすさを考えた次のように区分されています。
「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」の4つと「とろみ調整」です。
この区分により、介護食品のレトルト商品を購入する際に選びやすいのはもちろんのこと、ご自宅で調理される際にも役立つと思います。
例えば、ハンバーグを作ったとしてご自分はそのまま食べて、介護する人には区分の規定のように段階を分けて、食べやすい大きさに切る、細かくほぐす、ミキサーでペースト状にするなど同じ食品を食べるのも可能になります。
そのように、段階的に調理説明された本も数多く出版されてます。
私も料理は、そのように段階的に説明された本で作ってました。
最初は祖母用に別にフードプロセッサーなどで料理というより栄養バランスの食材を放り込むだけでしたが、本のおかげで同じものを食べられ食費もだいぶ節約されました。
4つの区分ととろみ調整の目安を簡単に説明します。
容易にかめる
かむ力の目安・・・かたいものや大きいものはやや食べづらい
飲み込む力の目安・・・普通に飲み込める
歯ぐきでつぶせる
かむ力の目安・・・かたいものや大きいものは食べづらい
飲み込む力の目安・・・ものによっては飲み込みづらいことがある
舌でつぶせる
かむ力の目安・・・細くてやわらかければ食べられる
飲み込む力の目安・・・水やお茶が飲み込みづらいことがある
かまなくてよい
かむ力の目安・・・固形物は小さくても食べづらい
飲み込む力の目安・・・水やお茶が飲みづらい
とろみ調整
食べ物や飲み物に加えることによって、とろみをつけてのどに流しやすくする製品
とろみのつき具合はさまざまで、購入する時のパッケージにつき具合が記載されています
以上が区分です。
介護用にレトルト商品も様々なメーカーより販売されるようになりました。
レトルト食品を取り入れながら日々の献立を考えていくとだいぶ楽になりますよ。
私も取り入れながらしてましたけど、祖母にはお前が作るよりうまいと憎まれ口をよく叩かれました。
次は、栄養バランスを考える上で必要な四群点数法です。
四群点数法
四群点数法とは、女子栄養大学創始者の香川綾考案の身体に必要とする食品を4つに分類して点数方式でバランスよく摂取カロリーを取る方法です。
非常にわかりやすくて病院などの栄養士さんには、必ずこの方法をすすめられました。
ただ、食品ごとに細かく分類されていてここでは、すべてご紹介するのは難しいので簡単な概略だけお伝えします。
栄養のバランスが必要な介護食や持病をお持ちの方の食事を作るには、大変参考になるので1冊はご購入されるか図書館でコピーをおすすめします。
おすすめは、女子栄養大学出版の本です。
私も介護の為に朝・昼・夕の献立メニューのものを買いました。
バランスを考えながらのメニューは大変なので重宝してます。
これから、4つに分けられた食品を簡単に説明します。
第1群 栄養を完全にする
卵、乳・乳製品
良質たんぱく質、脂質、カルシウム、ビタミンA・B₂
卵、牛乳、チーズなど それぞれの食材に何gで1点と決められてます。
第2群 血や肉を作る
魚介、肉、豆・豆製品
良質たんぱく質、脂質、ビタミンB₁・B₂、カルシウム
魚、肉、豆腐など 魚、肉の中にもさらに分類がありそれぞれ量で1点が決められている
第3群 体の調子をよくする
カロテン、ビタミンC、ミネラル、食物繊維
野菜、芋、果物など 野菜は、緑黄色野菜と淡色野菜を決まったgで足して1点になる
第4群 力や体温になる
糖質、たんぱく質、脂質
ごはん、パン、砂糖、油など すべてgで点数が決まってる。砂糖、油など調味料も点数加算になる
以上が分類です。
第2群は、魚・肉は交互にするとか肉の種類を変える必要があります。
1点が80kcalとして計算されて
第1群~第3群は、各3点(理想の摂取カロリーの大小関係なく)
残りを第4群から摂取
どなたでも第1群~第3群で、720kcal摂ることになるので、最初に説明した理想の摂取カロリーから720kcalを引いた残りを第4群から取ることになります。
当然体格などの個人差もあるので、多少の調節はいいと思いますが基本はこの形です。
※四群点数法の記述は、自宅にあった女子栄養大学出版の「かむ・飲み込むが困難な人の朝・昼・夕献立カレンダー」より抜粋してます。
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女子栄養大学出版の書籍一覧が表示される「Amazon」のページです。
介護食だけでなく生活習慣病などのレシピ本から食の栄養について、様々な本が出版されていますので参考になると思います。
まとめ
介護や持病のための食事は、栄養バランスやカロリーなど考えなくてはいけないので毎日3食作るのは本当に大変だと思います。
悩むことも多いです。
介護食の本にもだいたい書いてあるはずですが、市販されているレトルトと組み合わせながらやるのも1つの方法だと思います。
私の体験からですと介護食用の出版物は、おすすめです。
途中にも書きましたが、1種類の料理を食品区分ごとに通常からペースト状やテリーヌ風までの調理まで書いてあってとても便利です。
健康の人でも食は、本当に大事だと言われています。
だからこそ、家族は色々悩んだりすると思います。
この投稿が少しでも参考になれば、嬉しいです。
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