[大腿骨近位部骨折]ってよく聞くけどどれくらい危険? | 体験談とその怖さ!
前回の投稿の中で骨粗鬆症について触れました。
その中で大腿骨骨折の怖さに少し触れたので、今回は体験を踏まえてもう少し詳しく書きたいと思います。
メディアなどでも、よく大腿骨骨折というフレーズはよく耳にしますよね。
芸能人の方のご両親が「大腿骨骨折」で大変なリハビリ生活になってしまったと、介護の大変さを紹介する番組などで取り上げられたりしています。
現在介護を必要としていない状態でも高齢になれば、骨粗鬆症などが原因で骨も弱くなり庭で少しつまずいて転んだだけでも骨折する危険があります。
若い世代ですと反射的に手をついて腕や手首の骨折で済む場合もありますが、加齢とともに反射神経も鈍くなっていますので、そのまま倒れ込んでしまい大腿骨骨折するケースも多いです。
私の祖母がそうでした。
大腿骨骨折してしまうと手術か自然治癒の選択を迫られます。
手術をすればその後本当に過酷なリハビリになり、自然治癒を選択すれば車いすや寝たきりになってしまう可能性が高いです。
大腿骨骨折と一般的に言われますが、正式には「大腿骨近位部骨折」で骨折の場所により「頚部骨折」と「転子部骨折」に分かれます。
それぞれ治療方法も違いますので、私の体験談も踏まえて参考にしていただけたらと思います。
*前回投稿記事*
大腿骨近位部骨折
大腿骨近位部骨折は、太ももの付け根部分の骨折です。
大腿骨近位部骨折には、関節内の頚部骨折と関節外の転子部骨折とがあります。
骨粗鬆症の女性が、転倒することにより骨折することが多いです。
頚部骨折と転子部骨折どちらの場合でも、健康状態に問題なければ第一選択として手術を勧められる事が多いです。
頚部骨折と転子部骨折とでは手術の内容が違うので、それぞれ分けて分かる範囲で説明していきます。
頚部骨折
私の祖母は、こちらの頚部骨折でした。
頚部骨折は、もっとも骨がくっつきにくい場所のため手術をしなければ元通り歩けるようになることは、まずあり得ないと言われてます。
祖母の場合は、手術をすれば補助器具を使って歩けるようにはなるだろうし、本人次第では補助器具無しでも歩けるだろうとのことでした。
ただ、万が一歩けるようになったとしても、骨折の原因が転倒なので杖やシルバーカーなどの補助器具を使う必要性はあります。
手術の内容ですが骨接合術と人工頭置換術とのどちらかになります。
骨接合術は、骨を金属などの器具で固定して折れた部分をくっつける手術です。
人工骨頭置換術は、骨折した関節部分を切除して、人工物で置き換える手術です。
基本的な考え方は、骨折部が大きくずれている場合が人工骨頭置換術であまりずれていない場合が骨接合術になるそうです。
どちらの場合でも手術なのでメリット、デメリットがあるので患者さんの状態と病院、担当医師の考え方で勧め方が変わってきます。
ネット検索すると病院それぞれで基準が違うのがわかります。
メリットとデメリットは
骨接合術・・・患者さんへの負担が少なく金属をいれて固定するだけなので短時間で手術が終わります。ただ、うまく融合してくれなかったり関節部分が壊死してしまっり合併症の危険性があります。そうなってしまうと、入れた金属を取り除き人工骨頭置換術を再度する必要があります。
人工骨頭置換術・・・骨接合術のようにすぐに再手術で入れなおすことはないが、手術時間が長く輸血も相当量必要になり、それによる感染症の危険性があります。特有の合併症で関節脱臼もあります。また、耐久性の問題から人工骨頭が緩んできたら再置換する必要があります。
手術となると、どうしてもこのようにデメリットが強調される形になりますが担当医師との相談して患者さんの今後を考えて決めるといいと思います。
祖母の時は、骨接合術のみの説明でリスクの説明は受けて手術を決めました。
担当の医師が信頼できるかどうかだと思います。
どちらの手術にしても、その後のリハビリが重要になってきます。
転子部骨折
転子部骨折は、関節外なので周りに筋肉組織などもあり骨融合はしやすいとされてます。
ひと昔前までは、保存的治療で行ってましたが融合しても変形してしまったり脚短縮を後遺症に残してしまうため最近では手術が推奨されてます。
手術は、骨接合術ですが使用する金属などが変わってきます。
大腿骨の外側部分から骨頭内に金属を入れて固定して骨融合させます。
これで、ほぼ融合されますが骨粗鬆症がひどかったりするとずれたり金属がでてきてしまったりします。
そうなってしまうと何らかの形で再手術となります。
ここまでの手術の内容等は、自分が受けた説明と成美堂出版「家庭の医学」及び様々な整形外科のホームページで紹介されていたものをまとめました。
骨折をしてしまった場合は、担当医師とよく相談して決めてください。
その際、術後のリハビリについても聞いておくといいです。
体験談と気を付けること
手術の説明で大腿骨近位部骨折が高齢者にとって、とてもリスクがあって怖いものだと分かっていただけたと思います。
予防をするのが一番いいのですが、それでもちょっとトイレに行くときでも転倒してしまったりしてしまいます。
もしも骨折してしまった場合、治療については担当の医師の方が患者さんの状態を考えて最善の治療法を提案してくれると思います。
信頼できそうな先生なら、おまかせするのが一番です。
家族としては、手術の後が重要だと思いました。
昔の考え方だと高齢者が骨折して手術した場合、完治してからリハビリをする流れでしたが、それだと長期間身体を動かさないことになり様々な機能が失われていきます。
このことを廃用症候群といいますが、それを防ぐため手術後は早めにリハビリが開始されます。
まずは、病室でのマッサージや軽い運動程度からはじまりますが、この時点でも結構痛がってました。
医師の許可がでたら、本格的に歩くためのリハビリがはじまります。
祖母の場合は、この時点で転院になりました。
高齢者の場合、長期間のリハビリになるため回復期リハビリテーション病棟のある病院に転院するのが一般的です。
病院により様々だと思いますけど、リハビリは歩けるようになるのが目的ですがそれ以外にも腕の筋肉を鍛えるもの、頭の働きをよくするもの、など様々なことをします。
祖母を含めて周りの方も、歩くリハビリは本当に嫌がってました。
相当の痛さがあるんだと思います。
理学療法士さんもうまくなだめながら誘導するのですが、ある程度限界があると思います。
家族の方で、本人とじっくり話しをしてリハビリに誘導することが大事です。
祖母の場合は、花を買うことと神社へお参りすることが大好きだったので外出許可をもらいつれて行って説得しました。
しばらくするとまたリハビリ行かないと言い出して、外出して説得しての繰り返しです。
リハビリ病棟は、病状によって入院期間が決まっているので、その期間にある程度回復しないと、そのまま寝たきりになる可能性もあります。
寝たきりになるのを防ぐためにも、家族でじっくり話しを聞いてリハビリにうながすのは大切です。
見ていてもある程度まで回復して退院していく人は、家族の方がほんとよくリハビリの見学にも来ていました。
リハビリ中一番怖いのは、少し動けるようになって一人で物などにつかまってトイレなどに行こうとすることです。
祖母が順調に回復してた矢先、夜中に一人でトイレに行こうとしてよりによって車いすを押しながら…
当然転んで逆の大腿骨を骨折です。思いもよらない行動に絶句でした。
すぐに同じ手術です。先生には、さすがに両足の大腿骨骨折だとよくて車いす生活になるかもと言われてしまいました。
それでも、寝たきりは避けたかったので、また本人を説得してを繰り返しリハビリを続行することに成功して退院するころには、シルバーカーを押しながら歩けるところまで回復です。
その後、退院してからも時間の許す限り外出をして本人の好きな神社では、杖で歩けるようになりました。
リハビリなど家族でサポートするのは、本当に大変だと思います。
でも、寝たきりになってしまったらもっと大変ですし、本人もかわいそうです。
予防できることをするのが一番いいに決まってますが、人は思いもよらない行動をとってしまうものです。
その時に誰かを責めるのではなく、家族みんなでサポートすることが大切だと思います。
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